[Admin] 01/20 06/22

境界 2015-01-05(Mon)

2014年夏に、家内が急に大病で倒れた。幸い2度の手術も乗り越え、未だ静養が必要とはいえ、心配した後遺症もなく、また元気な生活をとりもどせそう、と思って安堵していたら、暮れに突然、父が急逝した。肺ガン宣告からわずか1月ばかりであった。危篤の知らせを受け、アメリカから駆けつけ、なんとか父と言葉を交わすことはできたものの、その翌日、皆に見守られながら、父は静かに息を引き取った。この写真は、父と過ごした最後の夜、病室で撮ったものだ。父は自分に最期の時がくるのを感じたのか、病院で弟たちに写真をとっておけと伝えたそうだ。僕は長い間ほったらかしにしていたカメラを取り出し、病室でシャッターを押し続けた。

昨夏、家内の緊急入院の際、僕は、その看病のため1月ほど堺の実家に滞在した。父は、そんな僕を近くの駅までタバコの匂いがぷんぷんするポンコツ車でよく送ってくれた。昼は、暑い日ざしの中、庭師の仕事をし、晩は、焼酎をのみながら阪神タイガースをTV観戦し、夜遅くまでPCに観戦録を打ち込んでいた。夏はあんなにエネルギッシュにしていたのに。検査入院の際、父は、タバコはもうやめようと思う、と弱気にもらした。

葬儀では、僕が5年前に撮った父の写真を使うことになった。それは、金婚式の記念に父と母を撮ったもので、"Parents Back Home"という写真シリーズの一枚だった。通夜の晩、弟が、"兄貴はこの日の為に、あの写真を撮ってたんとちゃうか?"とぽつりと言った。

こちら側と向こう側。家族の生死を目の当たりにした僕は、どこにその境目があるのだろうと、不思議な気持ちに包まれた。

PS 1年半の間まったく写真活動ができなかった僕ですが、またすこし撮り始めています。以前のようなペースではないですが、Photologにもまたアップしてみようかな?

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